重症心身障害療育学会

論文の書き方

(平成26年5月)

「投稿規程」には書ききれないので、奨励する論文の書き方を以下に示します。

  1. 論文内容は、研究報告事例報告に大別されます。それにより、論文の構成が変わります。ある目的のため、多数例に対し、特定の方法で検討を加えたものが研究報告です。個別的事例(複数例もあり)の経験から新たな知見を得たので報告するというのが事例報告です。そのいずれかに合わせて、以下に示すような論文の構成を取ってください。たいていの論文はこのいずれかに該当すると思いますが、どうしても合致しない場合に限って、独自の構成を作ってください。
  2. 研究報告では、はじめに・対象・方法・結果・考察・結論としてください。対象と方法を分けづらい場合は、対象・方法と一括してください。考察の最後の段落で結論を記し、結論を省いても構いません。これ以上の項目を作るのは、どうしても必要な場合に限ってください。対象・方法・結果・考察のそれぞれで下位項目を作ることは構いません。
    1. はじめにで、この研究の背景と目的を述べてください。段落を分ける場合は、最後の段落で目的を記してください。前半で、この研究に関係する分野の今までの知見を整理し、未知・未解決な点を背景として明らかにしてください。後半で、本研究で明らかにしたい点を目的として明示してください。
    2. 対象と方法では、本研究の目的に沿った結果を得るために、どんな対象にどんな検討方法をとったかを記します。読者が追試できるような具体的・客観的な記載が求められます。なお、研究期間を記すことは必須ではありません。その方法で検討した得た結果を次に記します。これが、論文の中で最も重要な項目なので、十分スペースをとってください。同じく、追試者が比べられるような具体的記載が求められます。その解釈は次の考察で述べるものなので、結果の中で言及することはやめてください。
    3. 重症心身障害児(者)を対象とした研究では、対象者の年齢・性のほか、医学的診断、障害像・程度(運動機能と知的機能)は必ず記載してください。運動機能としては、移動機能や上肢機能程度がわかるように記載してください。たいていは、知能指数は判定不能なので、対象の知的機能は、発表者の目的に適うように具体的知的発達段階で示すことを勧めます(例えば、有意な言語理解の有無、数の理解の有無など)。大島分類を用いて、「1」というだけでは、運動機能・知的機能とも幅が広すぎて、研究対象の障害記載としては不十分なので、さらに障害程度を細分化して示すことを勧めます。大島分類で「1」以外に判定される場合は、障害程度記載としては曖昧なので、具体的区分を追加して示すことを勧めます。横地分類によって、運動機能・知的機能障害程度区分を示すことも可能です。
    4. 考察では、得られた結果について、その解釈や意義を述べてください。その中で、誰かの文章をそのまま引用することは止めてください。必要なら、著者の言葉で言い換えて、引用文献を付けるようにしてください。
    5. 結論を付けた場合は、「はじめに」で述べた目的に対してどういう結論を得たかを中心にして、本論文の意義を簡潔に述べてください。前述したように、考察の最後の段落で結論を記しても構いません(この書き方の方を勧めます)。
  3. 事例報告では、はじめに・事例報告・考察としてください。
    1. はじめにで、この事例の経験から明らかにしたい点を明示してください。前半では、これに関係する分野の今までの知見を整理し、未知・未解決な点を述べてください。
    2. 対象者の年齢・性のほか、医学的診断、障害像・程度(運動機能と知的機能)は必ず記載してください。運動機能としては、移動機能や上肢機能程度がわかるように記載してください。たいていは、知能指数は判定不能なので、対象の知的機能は、発表者の目的に適うように具体的知的発達段階で示すことを勧めます(例えば、有意な言語理解の有無、数の理解の有無など)。大島分類を用いて、「1」というだけでは、運動機能・知的機能とも幅が広すぎて、研究対象の障害記載としては不十分ですので、さらに障害程度を細分化して示すことを勧めます。大島分類で「1」以外に判定される場合は、障害程度記載としては曖昧なので、具体的区分を追加して示すことを勧めます。横地分類によって、運動機能・知的機能障害程度区分を示すことも可能です。
    3. 事例報告の項目の中で、前述のように対象のプロフィールを記載し、どういう働きかけでどうなったという経緯を記載してください。記載しやすいように、下位項目を作ることは構いません。読者が追試できるような具体的・客観的な記載が求められます。なお、研究期間を記すことは必須ではありません。
    4. 考察では、得られた結果について、その解釈や意義を述べてください。その中で、誰かの文章をそのまま引用することは止めてください。必要なら著者の言葉で言い換えて、引用文献を付けるようにしてください。最後の段落で、本研究の意義(結論に相当)を述べて締めくくってください。
  4. 要旨では、研究報告・事例報告のいずれでも、本文の内容のすべての項目を含むように簡単にまとめてください。研究報告では、目的・対象・方法を簡単に記し、結果の内容にウェイトを置いて記し、最後に、考察と結論を簡単に述べるといった書き方を勧めます。要旨は、本文(はじめに~考察)とは別物です。本文を読まずに要旨だけですますことがある、本文を読んだら要旨を読む必要がないと思って書いてください。
  5. 文献では、「はじめに」で背景として述べたこと、「考察」で述べたことの根拠を示すものを付けてください。必要最小限のものに限ってもらえばいいです。なお、文献の書き方は投稿規定をきちんと守ってください。